
2009年7月13日
手仕事にときめく 失われた匠の技 中谷比佐子さん
2009.7.12
『手仕事にときめく』中谷比佐子さん
『日本染織地図』をご存知ですか?
先生が携わった本で、朝日新聞社から出ていたものです。
1985年に発行され、以降出ていません。
当時編纂者同士で「あれもこれも消えてしまった」と
各地の染織の技術について嘆いていたのよ、とおっしゃていたとのことですが
あれから更に25年がたとうとしている現在、
ますます状況は悪化しています。
昔あった、各地の匠の技について、
いろいろとお話をお聞きしました。
江戸時代に各藩で織物作ったことにより全国各地で
特色ある染織技術が生まれ、今に残る名産となったこと。
そもそも日本の文化はお米と絹の文化であること。
どちらも大陸から渡った文化が日本に伝わったと考えられているけれど、
先生の持論では日本も独自の絹文化をすでに持っていたはず、とのことでした。
各地の気候や特産物をうまく利用した染織は
それに合ったお手入れをすれば良い事。
そうそう、麻の素材例えば、小千谷ちぢみは
洗濯機で洗って寝押しすれば大丈夫、なんて聞くと
少し安心して着られますね。
日本の染織技術が衰退してしまっても、
素材さえあれば、必ず伝えていけるはず、という中谷先生のお言葉に
私たちは「とにかく着物をきることですね」と
自分たちの出来ることを改めて認識する会でした。
さあ、きものを着て出掛けましょうか。
土佐つむぎ
すでに失われているものです。
今回の反物はすべて「菱一」さんからお借りしています。
貴重なものを今のうちに、と集められたコレクション。
一度無くなると、復活が難しいのが文化というもの。
これは現在もある
沖縄のミンサー織ですが、
沖縄の織物の特徴は
織りの模様に意味が籠められていること。
これは女性が男性に送る帯。
求婚に対して
「いつのよまでも足繁く通ってください」と
伝えるためのものだそうです。
そうわかってしまうと
ミンサー織を身につけるのは、
意味深ですね。
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2009年6月28日
江戸美人が出来るまで
『江戸美人が出来るまで』村田孝子さん(ポーラ文化研究所)
きものを着るようになってから、浮世絵の美人画を見ると、
きものの意匠や、帯の結び方をチェックするようになりませんか?
と同時に髪型や着方も見るのですが、化粧だけはよくわかりませんでした。
切れ長の目、細い眉、小さい口。くらいでしょうか。
なので村田さんにお話をお聞きするのが楽しみでした。
おしろいの話、紅の話。
鉄漿の話。そして髪型の話。
鉛の入ったおしろいは戦前まで使用されていたこと。
紅花は今は油として重宝していますが、
そのルーツはエジプトで、紅が取れる花であり、貴重な資源だったこと。
鉄漿とは女性の通過儀礼のひとつであり、
買いに行くとすぐ「あ、結婚するんだね」とばれたものであったこと。
そうそう、鉄漿は毎日朝夫が起きる前にまずつけたものだそうです。
タンニンが多く含まれていて、歯茎が引き締まる効果があり、
実は歯が丈夫になる効能があるとか。
ただ、最初につけた時には唇がはれたり、
とてもご飯がのどを通らなかったりしたそうです。
大変ですよね。
お公家様は鉄漿に眉。これは欠かせなかったとのことで
男女ともやっていたのがおかしいし、面白いと思います。
上方と江戸での化粧の違い、髪型の違いなど、興味深いお話を沢山していただきました。
次回は実際にモデルさんで結髪と化粧をやりたいですね。
日本髪結いたい候補の方が早速名乗りを上げてくださいました(笑)
笹色紅、とはよくいったもんです。
妖しく光る唇...
下地に習字の墨を薄く塗って
この紅を薄く塗ると近いものが再現できるとか。
挑戦してみますか?
~みなさんのアンケートより~
・化粧と文化史の流れと、日本の庶民の暮らしが見えるようだった。
・スライドや、実物の口紅や紅花も見せていただけたので良かったです。
・化粧の歴史をわかり易く説明していただいたので面白かった。
今後、浮世絵を観る時など参考にしたい。
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2009年6月22日
東京凱旋公演NINAGAWA十二夜の舞台
2009.6.21
『東京凱旋公演NINAGAWA十二夜の舞台』金井勇一郎さん
またまた満員御礼。
もう舞台を見た方も、これからの方も交えて。
歌舞伎座初演の時の感動が甦りました。
歌舞伎座、バービカンシアター、新橋演舞場それぞれの同じ場面の舞台写真を
見比べると、劇場の特徴や、それによる舞台効果の違いが一目瞭然。
そして、演出家の一言でどんどんと進化していく舞台。
「NINAGAWA十二夜」最大の特徴はご存知の通り、ミラーです。
蜷川幸雄さんからの最初のご希望が
・ミラーを使うこと
・歌舞伎の基本を壊さないこと
の2点だったそうです。
そのミラーが特殊なフィルムだということで実物を持ってきていただきましたが、
薄くて軽い素材。特殊な加工がされた厚手のサランラップみたいです。
そしてこれは舞台製作のために作られた
模型の実物!
演出家へ模型を使ってプレゼンする時に製作します。
しかし没になる内容も多いのだとか。
「でも究極はお客様にいかに楽しんでいただくか、ですから」
と淡々とお話になる金井さん。
舞台づくりの苦労、というよりは、
いかに「自然体で」楽しまれながら仕事をしているか、
ということが感じられるお話でした。
私たちが舞台に感動したり、嬉しくなったりするのは
舞台製作の現場に、こういう方が沢山いらしゃるからなんでしょうね。
演舞場の千秋楽まであと少し。
見逃している方は駆け込みですよ。
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2009年6月15日
最後の吉原芸者みな子姐さん一代記
2009.6.14
『最後の吉原芸者 みな子姐さん一代記』
みな子姐さん(吉原芸者) 聞き手:柳家紫文さん
満員御礼。
御歳89歳のバリバリ現役の吉原芸者、みな子姐さんのお話を聞こうと
沢山の方にお集まりいただきました。
その昔は「さわぎ」は吉原の許可がないと、他所土地では出来なかったこと。
吉原でも芸者と言えば「仲之町芸者」の事で、
それ以外の芸者は「横丁芸者」と呼び、引手茶屋には上がれなかったこと。
もちろんみなこ姐さんは「仲之町芸者」さんで、12歳で半玉になって、
16歳で他の子に稽古をつける、お師匠さん(おっしょさん)になったこと...
三味線が大好きで、今までずっと来られたこと。
そして今が一番幸せだということ。
日本酒がすすむにつれて、どんどんと饒舌になっていくみな子姐さん。
お客様と一緒に「越後獅子」をやってくださったり、
リクエストにもお答えくださって、福徳がいつしか引手茶屋のお座敷の様相に。
![]()
最後は「吉原締め」で締め。
今日参加された方は、この「吉原締め」をぜひ広めてくださいませ。
ひぃ、ふぅ、みぃ、よぅ、いつ、むぅ、なな。
ですよ~。
今日を見逃した方で、みな子姐さんに、聞いておかなくちゃ、と思った方は
『華より花』主婦と生活社刊 を入手するか、
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2009年6月 9日
「京遊学 写真を通してみる花街の伝統と暮らし」溝縁ひろしさん
2009.6.7
こんにちは。入野佳子です。
この日の京遊学は、急に夏が来たような見事な快晴。世間ではノースリーブの方もいるぐらいの気温では、単衣でも、少し暑く感じました。でも夜は涼しくてちょうどいいぐらいですし、難しいですね。
今回は、京都や舞妓さんの姿を撮り続けて約四十年のベテランカメラマン・溝縁ひろしさんに、たくさんのお写真を見せていただきながら、舞妓さんの一年を追いました。
たとえば、「一力」で行われる大石忌(大石内蔵助氏の供養)の様子や、初めて舞妓さんへと上がる"店出し"の日にお祝いの熨斗の前で撮った記念写真、店出しの締めくくりにする三三九度の写真など、一般には見ることのできない行事や場所の写真を見ながらのお話には、興味津々。
引退する時の"引祝"というものがあり、それにはお赤飯を添えるのですが、「戻ってくることもあるかもしれませんが、その時はまたどうぞよろしくお願いいたします」という暗黙の了解を込めて、半分が白飯になっていることもあるのだそう!
このような暗黙のルールなど、普段はあまり知らないようなお話を聞けて、とても楽しかったです♪
最初、「この二人の舞妓さんは、どちらがお姉さんでしょう?」「この舞妓さんは舞妓になって何年目でしょう?」などのクイズを出されてあまりわからなかったのですが、舞妓さんの髪型や衿、おこぼの鼻緒の色の違いなどを教わり、最後にはわかるようになり、ちょっとツウになったような気分です(笑)
そんな舞妓さんたちの素敵なお写真を、溝縁さんのホームページでも見られるので、是非ご覧ください!
http://www.h-mizobuchi.com/index.html
老松さんの流鏑馬
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2009年6月 3日
6月になりました
衣更えの季節。
お世話になった袷のきものを総点検してしまうと同時に
単のきものにご対面。
すかっと晴れた日に片付けられたら良いですね。
そうして迎える雨の季節。
一目ぼれしたこの傘は、
国内ではすでに数少ない傘職人、中島澄さんの手によるもの。
これは、材料も「国内産」にこだわって作られています。
持ち手は桜の木。
きものを着る雨の日が楽しくなる傘です。
中島さんは、おちゃめな方でもあって、
なんと大島紬で日傘なんて作ってしまったりします。
シルエットの美しさは丁寧な手仕事の素晴らしさです。
(6/2-8まで日本橋三越で「匠の技展」やってます。)
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2009年5月31日
雨の合間をぬって「きものよろず談義」
2009.5.31
『きものよろず談義』一柳英雄さん
荒れ模様の天気予報にもかかわらず、
11名中8名様きものでお出掛けいただきました。
そんな皆さんの心意気を感じたのか、移動中に限って雨が止む、という不思議現象。
これも神田明神さまのおかげでしょう。
まず福徳で"最後の丁稚"と自称される一柳さんのきものへの愛情講義。
時間が足りないんだよ、と何度もおっしゃるとおり、
短い時間では語りつくせぬきもののお話。
そして菱一さんよりお借りした、大正~昭和初期の商家のきものの数々を拝見しました。
銘仙や、紗合わせ、矢羽根の大胆なデザインなど、
当時をしのばせるものを見るのは楽しい。
丸帯の柄の向きが一部逆さなのはなぜか...
薀蓄がいっぱいでとても書ききれません。
神田やぶそばで蕎麦をすすった後は(アルコール入れてた方もいました~)
いよいよ神田の家へ。
NPO法人神田に家の代表であり、この家にお住まいだった
今は亡きご当主の娘さんより、
この家を移築再建された想い、神田への愛情、江戸文化、街づくりへの想いをお聞きし、
きものが大好きだったご当主の素晴らしいきもののほんの一部を拝見させていただきました。
神田明神の氏子総代でもあったご当主の、総代用の衣裳や、
神田祭用のちりめんのゆかた。
同じく神田祭のしぼりのゆかたなど、
いかに祭りを愛し、きものを愛していたかを偲ばせる逸品ばかり。
家の隅々にも、きものにも、その方の生き方や
センスが感じられて、格好いいなあ、と惚れ惚れするばかり。
東京にもこんなことが感じられる場所があるんですね。
それは単にモノが残っているだけではなく、
人が愛情を持って受け継ぐから感じられるのだと思いました。
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2009年5月27日
神田の家に行きましょう
神田明神の隣に出来た『神田の家』で江戸遊学を開催します。
福徳塾でまず昭和レトロなきものを拝見し、
↓
「かんだやぶそば」でお蕎麦に舌鼓を打ち、
↓
神田明神で参拝したあと、
↓
江戸から続く材木商、遠藤家の住宅兼店舗を移築再現した「神田の家」で
当主の粋なきものを拝見させていただきます!
昭和レトロなきものは、銘仙や、今は見られない贅沢な夏きものの数々もあります。
今見てもまったく古さを感じないし、
「着てみたい」と思わせるデザインばかり。
神田の家のきものは、神田祭にちなんだ、とっても珍しいゆかたや
普段着にありえないような、贅沢で、しかもさりげない、これこそ粋なんだな、という
男性のきものです。
先日拝見しながら、いちいちため息が出ましたよ。
素材や手間に価値を見出し、それをわかってお金を出すのが
本物を知るオトナなんですね。
きもの好きなら必見です!
そしてそして、神田の家、そのものがまた細部までこだわった
素晴らしい建物なんですよ。
引き戸の一つ一つ。
各部屋の天井板、一枚一枚。
家を抜ける風の心地良さと、
部屋に入る光の形の美しさを
ぜひ皆さんにも感じていただきたいと思います。
お申し込み詳細 あと若干名募集です。
締め切り間近!!
女性のご参加も大歓迎です。
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茶道具よしあし見分け方指南
2009.5.24
三井記念美術館で開催中の『三井家伝来 茶の湯の名品』に合わせて、
お茶道具の見方について、西浦喜八郎さんに教えていただきました。
難しい講義になるのかな...と思いきや、
「大富豪になったつもりで、3点買って帰るとしたら、と考えて
真剣に買い物をしてみてください」
と言われて、そうか、ありがたやありがたやと拝みにいくのではなくて、
好きか嫌いか、お金を出して買ってみたいか、
という自分の感性を信じて見てみれば、とても楽しめるのではないかと思いました。
それでもこんなところを見ればというポイントを教えていただきましたので、
ふむふむと思いながら鑑賞していただけたのではないでしょうか。
お気に入りは見つかりましたか?
写真は、西浦さんの本業である古美術品を実際にお持ちいただいて
拝見させていただいているところ。
目利きに少し近づけたでしょうか?
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2009年5月16日
江戸随一の伊達男といったら...『助六塾』
さて、三越劇場でのイベント終了で呆けている場合じゃありません。
若い方にきものでドンドン出掛けていただけるようなことを
次から次へと繰り出してまいります。
社長入れ込み中の企画『助六塾』。
まもなく開塾となりましょうが、とりいそぎは通信にも掲載した
企画の概要をこちらにも掲載。
オープニング記念イベント5月31日(日)の「きものよろず談義」は
女性の方にもご参加いただけます!
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江戸時代、町人文化の中心であった東京・神田。江戸の町人たちは日々の暮らしの中で、神仏を尊び、自然や人、ものとの調和を重んじていました。他人を思いやること、助け合うことを美徳とする、人々の生き方そのものが「粋」でした。東京きもの倶楽部では、その「粋」を感じられる、着物好きな男性向けの助六塾をスタートさせることになりました。
粋で気前のいい文化人のためのサロン『助六塾』。着物初心者の方には男のきもの着付け教室を開催します。(詳細は後日)
この建物は江戸時代より神田鎌倉町で材木商を営んできた遠藤家が関東大震災後に建てた店舗併用住宅です。「神田の家」は江戸の総鎮守である神田明神の隣に立地します。
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どうぞご期待ください!
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